2011年01月31日

ラザンさんは心配性


この作品はPixivにて企画されたPixivファンタジアX(企画者:arohaJ様)内の二次創作になります。登場するキャラクターは、それぞれの創作者様からお借りしております。


ザイランス主従のライネイス王とラザン様
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ロマンゴー(とむはち様)
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馬ナナ(白霧様)
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PixivファンタジアX 
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01:40 | [小説]other

2010年10月26日

終わり逝く世界で(PSO BB)


 ──『彼女』が初めてこの世界に降り立ったのはいつのことだろうか。
 基礎精神力の高いフォニュエールとして生を受けた『彼女』は、当初この世界のルールや勝手が判らず、どこで何をすれば良いのか戸惑っていた。望んで生を受けた世界とはいえ、力の有効的な発動方法やアイテムの使用方法がわからなければ、それも仕方のないことだろう。
 そんな『彼女』を導いたのは、温かな手を持った、この世界を良く知る者。『彼女』がこの世界への生を望んだ一番の要因である人物だった。
 温かな導き手により、次第に能力を開花させていった『彼女』は、いつしか単独でさまざまな敵を薙ぎ払うようになった。
 唯一つ、洞窟に住まうスライムへの恐怖だけはどうしても克服できなかったが、それ以外の敵に対して『彼女』は果敢に立ち向かっていった。
 単独で行動することが増えていくのに反比例して、導き手と共に行動することは極端に少なくなっていったが、同じ世界に生きているという事実が、寂寥から『彼女』を護っていた。
 だが、それももうすぐ終わる。
 神の手により世界の終焉が定められたのだ。
 賑やかなシティの片隅に座り込んだ『彼女』は、心なしか物憂げにため息を吐く。
 無理もない。この世界が終わる日のことなど考えたことが──いや、なかったわけではない。この世界に生を受けた時点で、必ずいつか世界の消滅が訪れることは漠然と理解していたが、そのいつかは、もっと遠い未来のことだと思っていたのだ。
 既にカウントダウンは始まっているのだが、どうにも現実味がないのでテンションだけが下がり、結果物憂げな様子になっているといったところか。
 昨日と今日で世界は何も変わっていない。イルミネーションまたたくパイオニアの街も、のんきな様子の鑑定屋も、メディカルセンターの看護婦が浮かべる笑顔も、全てが通常運転だ。
 ただ終わりの日を告げられただけで、世界はこんなにもいつもどおりに動いている。
「……本当に、終わるのだな」
 意気消沈した『彼女』が力なく頭を垂れ、かぶっている帽子の飾り玉が軽く上下に揺れる。
 今まで『彼女』は沢山の武器や防具、アイテムを手に入れてきた。愛用のマグであるシャトを育ててきた。沢山の知識を与えてくれた導き手に恩返しができるようにと選んだパープルナムのバッジで、数多の銃を見つけてきた。
 それらが全て無に帰すと思うと、『彼女』の胸に言いようのないやるせなさが広がっていくのだ。
 少しでも気が緩むと勝手に涙腺の栓が抜けてしまうと、『彼女』は強く唇を引き結び、顔面に力を入れて険しい表情を浮かべる。
 険しさとは裏腹に、『彼女』の胸を占めるのは導き手へ向けた、返答なき多くの問いだった。
 果たして自分はこの世界で役に立てていたのだろうか。手渡した数多の武器や防具は邪魔ではなかっただろうか。喜ばれていたのだろうか。足手纏いではなかっただろうか──この世界に来て、迷惑ではなかったのだろうか。
 もう一度この世界で逢う可能性も低いと判っているし、これらの問いをぶつける機会も残されていないだろう。
 それでも。
「お前に逢えただけで、良かった」
 誰に聞こえるでもないほどの小さな声音でぽつりと呟くと、『彼女』は立ち上がる。世界の終わりが定められたとはいえ、その日までハンターズとしての任務がなくなるわけではないのだ。
 小柄な体躯が跳ねるように転送装置へと向かっていった。
23:16 | [小説]other

2010年03月02日

祈雨の歌


この作品はPixivにて企画されたPixivファンタジアVI(企画者:arohaJ様)内において
展開された作戦【祈雨の歌】の一場面となります。
登場するキャラクターは、それぞれの創作者様からお借りしております。

ステラさん 
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蛤粉さん 
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Pixivファンタジア 
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17:47 | [小説]other

2009年08月18日

後藤×しのぶ


「新型機みていかないの?」
 かつては剃刀の異名で名を馳せた、今はすっかり昼行灯の男がのほほんと新聞を眺めながら無遠慮に聞いてくる。
 まったく、この男はどうしてこうもデリカシーに欠けるのか。
 だがここで感情的になるのも大人気ない、としのぶは内心溜息を吐く。
 そもそも三年前の機体を使用している第一小隊も衣替えの時期なのだ。
 ただ新たに第二小隊を設立するという話を聞いた時点で、ただでさえ予算厳しい特機部隊なのだから、しのぶは自分の隊に新型が来るという可能性は捨てた。
 捨ててはいたのだが、新型が導入される第二小隊の隊長である昼行灯──後藤に言われると、やはりそれなりに腹が立つ。
 内心の憤りをひた隠し、しのぶは帰り支度を整えつつ平静な顔を作って答えた。
「くやしいからみないわ」
「ほう」
「というのは冗談。何時に着くかわからないもの待ってられないもの」
 前者も後者もしのぶにとっては事実だった。
 悔しくはあるものの、しのぶが指揮する第一小隊は人材について申し分なく、旧型であるハードを何度も実力で補ってきた。今後もしも上層部が必要と判断したなら、第一小隊にも新型機が導入されるだろう。それまで待てばいいだけの話だ。
 加えて激務が続いていたというのもその通りで、わざわざ今新型の到着を待たなくとも、どうせすぐ見る事になる。それくらいなら少しでも体を休めたい。
 そんなわけで、98式AV──通称イングラムが今夜到着する知らせが入ったものの、しのぶはそれを見ていくつもりはなかった。
「今日まで激務が続いてたのよ。一晩ゆっくり寝たいわ」
 それじゃ、と隊長室のドアノブに手をかけたしのぶだったが、ふと背後に気配を感じて振り返ると、いつの間にいたのだろうか、そこに後藤が立っていた。
「なに? 後藤さん」
「いや。たいした事じゃないんだけどね」
 カキコキと肩を鳴らした後藤は、身長差のあるしのぶの肩に手を乗せる。
「激務でお疲れのしのぶさんに心ばかりのプレゼントをと思って」
「気味が悪いわね」
 根っからの悪人ではないが、善人でもないこの男の言をそのまま鵜呑みにする事の危うさを、しのぶは良く知っていた。
 数年来の同僚であり、今は爪を隠しているもののその才覚は充分承知している。だからこそどんな裏があるかわかったものじゃない、としのぶは肩をすくめて首を横に振った。
「後藤さんから何か貰ったりしたら後が怖いから止めておくわ」
「そんなに警戒しなくても、たいしたものじゃないよ」
 いつもの飄々とした顔を崩さず、後藤は身を屈めてしのぶに顔を近づける。
「目、瞑ってくれる?」
「いいけど」
 釈然としないまま、しのぶが言われた通りに瞳を閉じると、ふわっと漂ってきた煙草の香りが鼻腔をくすぐる。
 勤務中とは違う「男」を後藤から感じ、しのぶは躯に僅かな緊張を走らせた。
(……何?)
 深く考えずに瞳を閉じたが、ありえない可能性を思い浮かべたしのぶは思わず手に汗を握った。
 まがりなりにも警察官が、職場で相手の同意もなしに不埒な行為に及ぶわけがない──筈だ。
(でも、まさか)
 後藤という男に人間的な好感を抱いてはいるし、男として見た時、それなりの魅力を──多大なクセがあるものの──持っているのもわかっている。
 更に言えば、後藤に対して男と女である事を全く意識した事がなかったかと問われると、しのぶはそれを即答する事が出来ない。
 だがお互いあくまで同僚としてこれまでやってきたのだ。こんな展開が訪れる事など想像だにしていなかった。
 目を瞑れと言った後藤の真意がどこにあるのか、あれやこれやと思索を巡らせていたしのぶの手に、不意に小さな固いものが握らされる。次いで「もう開けて良いよ」という後藤の声が頭の上から響く。
 首をかしげながら瞳を開いたしのぶの視界に映ったのは、袋に入った小さな飴玉だった。
「疲れている時は糖分が大事だからね」
「あ、ありがとう」
 ただ飴玉を渡す為だけだったのかと、拍子抜けしたしのぶは躯を覆っていた緊張を解いた。
 時間にして数秒足らずではあったが、果たしてわざわざ目を閉じる必要がどこにあったのか。
 考えたところでやはり後藤の真意はわからないが、とりあえず疲れている時の糖分は確かにありがたい。帰宅中にでもなめさせて貰おうと飴玉をポケットにしまうしのぶに、後藤がにやりと口角を上げる。
「何?」
「しのぶさん、俺にとって食われると思った?」
 ヘラっと笑いながらいつもの調子で茶化した後藤の言葉を聞いて、しのぶの頬に血が昇る。
 その可能性を考えていなければ一笑に付す事が出来るのだが、今回に限っていえば全く持ってその通りなので、後藤の発言を否定する事が出来ないし、実際に考えていたのを見透かされたのも癪に障る。
 悔しさのあまりわなわなと躯を震わせたしのぶは後藤を見上げ、キッと睨んで叫んだ。
「……帰ります!」
「うん、お疲れ様」
 何がそんなに嬉しいのか、満面の笑みでひらひらと手を振る後藤を背に、心身共に疲労したしのぶは隊長室を後にした。
 駐車場に向かう途中、しのぶはふと人気のない廊下で立ち止まり、ポケットを探って飴玉を取り出す。袋を破り、後藤には不似合いな苺ミルク味の飴玉を口に放り込むと、甘ったるい合成甘味料の味が口内に広がった。
 ほんの少しだけ、疲労感が薄れる気がする。
「本当に、何考えてるんだか」
 ぽつりと呟いたしのぶは、空になった袋を握り締めて駐車場へと向かった。
17:43 | [小説]other

2009年01月22日

古泉×キョン (1-2) 18禁


04:48 | [小説]other