2013年12月01日

緑黒で四季彩々(十二月)

表題通りですが、緑黒で四季彩々、十二月です。

緑黒の十二ヶ月を短編で書いてみようという、その第十二弾です。
まったり十二編、紡いでいけたらいいなと思っております。

一〜三月、四〜六月、七〜九月、十、十一月はサイト内とpixivにございます。


とても短いですが、一応女性向けなので本文は折り畳みで。


色々と行事がある十二月で、何故これをチョイスしたし自分。
そんなツッコミを最後に残しつつ、緑黒の四季彩々はこれにて終了と相成ります。
けれど二人の季節はこれからも続いていくのだろうなと思います。
ここまでお付き合い下さいましてありがとうございました。

来年は……また何かやりたいなあ、と思っておりますがまだ予定は未定だったり。

【December】



 渡す物があるから家に来ないかと言われ、学校帰りに緑間君の家に立ち寄った。玄関で待つこと十分弱。
 戻ってきた彼の手には、瑞々しい黄色い果実が五個程。漂う爽やかな柑橘の香りに鼻先をくすぐられる。
「これは……柚子、ですよね」
 そうだ、と緑間君が頷く。彼曰く、緑間家の庭には、立派な柚子の木が植わっているそうで。
 今年もたわわに実った柚子の実を見る度に、是非とも僕に分けたいと、常々思っていたらしい。
「明日は冬至だ。冬至といえば柚子湯だろう。柚子湯は風邪の予防にもなる。これでしっかり暖を取るのだよ」
 流石に学校へは持っていけなかったからなと、傷みを防ぐ通気性が良い縄編みのかごバッグに入れて手渡された。
 女子ですか君は、とは突っ込むまい。几帳面な緑間君の性格を考えればまあ、妥当といえる処方だ。
 それにしても、と僕は緑間君をじっと見つめた。解ってるんでしょうかね、この朴念仁は。や、解ってませんよね。
 一応、僕らは付き合っている恋人同士で。高校の違う君とは、逢う機会自体、滅多に作れなくて。
 おまけにここ暫くは、ウィンターカップだけじゃなく定期テストもあったんです。二重の忙しさだったんです。
 つまりですね、何が言いたいかって。たかが下校の延長とはいえ、今日は久しぶりに君と二人っきりなんですよ。
 そこに、家に寄ってくれ、なんて。積極的な君の台詞にドキドキしていたら、理由は柚子とか。
 いえ、緑間君らしいといえばらしいんですが。……ちょっと期待した僕の心、どうしてくれるんです。
「黒子?」
「あ、いえ。ありがとうございます、緑間君。早速今日、使わせて貰いますね」
 仕方ない。緑間真太郎という人は、僕より二十七センチも高い図体に反して、恋愛面で非常に晩生で初心なのだ。
 付き合い始めて三ヶ月も経つというのに、手を繋ぐのが精々で、未だにキスの一つも無いのが良い証拠。
 それについてはちょっと、いや内心かなり不満はあるものの、大事にされていると思えば、まあ納得します。
 ……ま、余りに手を出されないようなら、僕から仕掛けるから良いんですけどね。
 なんて考えていたら、急に緑間君に手を取られた。何事かと、見上げた彼の目は挙動不審で、顔も紅い。
「……黒子。今日は、家に誰も居ない。気兼ねも必要ないから、お前の時間さえ良ければ、上がっていかないか」
 センテンスを区切って告げられた緑間君の言葉は、らしくもなく緊張に震えていたけれど。
 ――前言撤回。言うときはちゃんと言ってくれるじゃないですか。ちょっと胸がきゅんっとしちゃいました。
「勿論です。君の部屋に、連れて行ってくれますか?」
タグ:緑間×黒子
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